引越しの初期費用はいくら必要?内訳や費用を抑えるコツを解説!
引越しするときは、引越し業者に支払う金額以外にもさまざまな初期費用が必要になります。何にどのくらいの料金がかかるのかしっかりシミュレーションして準備をしておかないと、想像以上にお金がかかってしまうこともあります。
この記事では引越しにかかる初期費用の相場やその内訳、また引越しで新たに購入する家電製品の費用についてなど詳しく紹介します。また、初期費用を抑えるポイントなどもお伝えするので参考にしてください。
目次
引越しの初期費用の相場とは?
引越しの初期費用はどのように算出すればいいのでしょうか。初めての引越しや1人暮らしなどの場合、どのくらいの金額を目安にすればいいのかわからないという人もいるでしょう。
賃貸物件の場合、新しく住む部屋の家賃の約6か月分の費用を最初に用意する必要があります。たとえば家賃が70,000円の家の場合は、420,000円ほどと考えるといいでしょう。そのほかにも、今住んでいる部屋を退去するときにも数万円程度余裕を持って用意しておいた方が安心です。
新しく賃貸契約を結んで物件を借りる場合、敷金が1〜2か月分必要になります。礼金は物件によりますが、1〜2か月かかるところがあります。さらに賃貸物件を不動産会社を通して借りた場合、仲介手数料として家賃の1か月分程度を不動産会社に支払わなければいけません。また賃貸物件の家賃は、基本的に前家賃なので入居した翌月分を納める必要があります。
このように新たな部屋を借りる費用だけで、かなりまとまった金額が必要になることを覚えておきましょう。ただし、今まで住んでいた賃貸物件を退去し、新たな賃貸物件に引越す場合は、退去するときに入居時に納めた敷金の一部が返ってくる可能性があり、それを新たな引越し費用に充てられます。
引越しの初期費用の内訳
具体的に家賃以外に必要な引越しの初期費用の内訳について見ていきましょう。どのような項目にどのくらいの費用が必要か書き出してみると、トータルで引越しにかかる費用のおおよそがわかります。
保険料
新たな賃貸物件に入居する場合、必ず入らなければいけないのが火災保険です。火災保険も賃貸契約の期間と同じ2年ごとの更新となります。
火災保険は、大家さんや不動産会社が紹介してくれた保険会社を通して加入することもできますし、自分で損害保険会社に相談して見積もりを取って必要な保証をつけて加入することもできます。一般的には、賃貸物件の火災保険は20,000円前後のものが主流です。
日割り家賃
月の途中で入居する場合は、前家賃とは別にその月の日割り家賃を支払う必要があります。管理費や共益費がある物件の場合は、これらの費用も一緒に日割りにして払わなければいけません。日割り家賃の計算の仕方は、(家賃+管理費・共益費)÷31で出た1日分の家賃に入居してから月末までの日数をかけます。
物件によっては、日割りの最少日数が決められているところもあるので、契約前に大家さんや管理会社などに確認しましょう。
鍵の交換代金
部屋の鍵を新しく交換する費用がかかります。通常の鍵ならば18,000円前後、オートロックタイプのマンションの場合は2~3万円程度必要です。鍵を交換せずに使うこともできますが、その場合、以前住んでいた人と同じ鍵を使うことになります。
防犯面から考えても、引越しするときには、鍵は新しくした方がいいでしょう。
保証会社への保証料
連帯保証人がいる場合は必要ありませんが、賃貸契約を結ぶときに連帯保証人がいないときには保証会社に加入しなければいけないことがあります。保証会社は、賃貸契約をしている本人が万が一家賃を支払えなくなった場合に、立て替えて家賃を支払ってくれます。
大家さんにとっては、貸倒れを防ぐための保証となるため、連帯保証人が用意できない人に物件を貸す場合に、保証会社への加入を条件とするケースがあります。保証会社への支払い金額はそれぞれ会社やプランによって違いますが、最初に10,000〜30,000円一括で支払うものや月額の家賃30%〜100%支払うものなどがあります。
引越し業者への支払い
引越しするときに引越し業者を使う場合は料金が発生します。こちらも業者やプランによって料金は変わりますが、単身者の引越しの場合でも40,000〜80,000円ほどかかります。引越しする荷物の量や、引越しする時期によっても料金に差が出てくるので、事前に各社に見積もりを取るといいでしょう。
1人暮らしで購入する家具・家電の購入費用
1人暮らしの引越しで、新たに家具や家電を購入する場合の費用の内訳や相場について紹介します。何が必要かはそれぞれ違いますが、1人暮らしでも最低限の家電や家具を揃える必要があります。
生活必需品などは除いて、最初に入居するときにかかる費用の例をあげてみました。これらの費用も引越しの初期費用として考えておきましょう。
家具
カーテン 約5,000円
入居して最初に取り付けるカーテンは忘れず準備したいものです。部屋の窓の大きさによってぴったりのサイズを揃えなければいけないので、事前に寸法を測っておきましょう。
ベッド(布団やマットレスなども合わせて)約20,000円〜30,000円
布団やベッドも入居したその日から使うので、最初に揃えておいてください。
テーブル 5,000円〜10,000円
1人暮らしの場合は、1台あれば食事や仕事、勉強などマルチに使えます。高さのあるテーブルなら椅子も合わせて揃えましょう。
衣装ケース 約5,000円
1人暮らしの部屋は、収納スペースが少ない間取りも少なくありません。衣装ケースがいくつかあると便利です。
照明 約5,000円
照明器具がついていない部屋の場合は、自分で購入しなければいけません。とりあえず電気がつけばしばらくの間は問題ないので、引越しが落ち着いてからゆっくり部屋のインテリアに似合うものを探してもいいでしょう。
家電
冷蔵庫 約30,000円〜40,000円
冷蔵庫も引越し初期から必要な家電です。小さいものならば30,000円以下で購入できるものもありますが、146L程度の大きさがあるといいでしょう。
洗濯機 約20,000円〜30,000円
全自動の洗濯機でも安いものなら20,000円程度で購入できます。
電子レンジ 約15,000円
電子レンジは温めるだけの機能のものならば比較的安く購入できますが、オーブンやスチーム機能がついているものは高くなります。使用用途に合わせて選びましょう。
引越しの初期費用シミュレーション
実際に引越しにはどのくらいの初期費用がかかるのか、内訳などを元に計算してみましょう。家賃60,000円の部屋に引越しして1人暮らしをする想定でシミュレーションしました。
敷金:60,000円
礼金:60,000円
仲介手数料:60,000円
前家賃:60,000円
火災保険料:20,000円
鍵交換費用:20,000円
引越し業者への支払い:40,000円
生活を始めるための家具や家電:140,000〜180,000円
資金や礼金、仲介手数料は家賃のひと月分として換算しました。これらの費用には、消費税が加算されるものもあります。1人暮らしの引越しは、おおよそ500,000円程度必要です。家具や家電などまで揃えようと思うなら、ゆとりを持って600,000円ほど準備しておくといいでしょう。
引越しの初期費用の払い方
引越しの初期費用は、かなりまとまった金額になります。しかし、すべて現金でその場で支払わなければいけないわけではありません。初期費用の支払い方法にクレジットカードを使用することもできます。また分割払いの相談もできるので、大家さんや不動産会社に相談してみましょう。
クレジットカード払いに対応している不動産会社はそれほど多くはありませんが、すべて現金で支払って手元のお金が少なくなってしまっては、生活していくときに不安になります。クレジットカード払いや分割払いにすれば、当面の生活に必要な資金をいくらか現金で手元に置いておけます。
またクレジットカードのポイントも貯まるのでお得です。
引越しの初期費用を抑えるポイント
1人暮らしでも引越しの初期費用を見るとかなり高くなることがわかります。しかし、初期費用を抑えるコツを覚えれば、必要な金額をもっと安くできます。引越しの初期費用を抑えるポイントをお伝えします。
まず、物件を探すときに不動産会社に予算を伝えるようにします。「月60,000円以内の物件を探したい」「管理費や共益費込みで70,000円に抑えたい」などと明確な金額を示しましょう。予算内の物件を探してくれますが、多少予算オーバーのものも勧められます。
予算オーバーでも敷金や礼金が安くすむなら、トータルの初期費用は抑えられます。また毎月継続して無理なく支払い続けられるのか計算して、厳しいようなら予算オーバーの物件ははっきり断るようにしてください。
敷金礼金ゼロの物件を探す
敷金や礼金は、引越しの際に必ず支払わなければいけないわけではありません。物件によってはもちろん、引越しするエリアによっては敷金や礼金がゼロの物件もあります。敷金礼金ゼロ物件に引越しすれば、初期費用に必要な金額を安く抑えられます。
ただし、敷金や礼金がない物件の中には、その分家賃が割高になっていたり、入居するときに別途クリーニング代がかかったりする場合があるので、必ず契約する前に確認しましょう。
直接不動産会社または大家さんから借りる
不動産会社を仲介せずに、直接物件を保有している不動産会社や大家さんと賃貸契約を結べば仲介手数料はかかりません。仲介手数料は最低でも家賃のひと月分くらい請求されるので、その分を安くできます。
物件を探すときに管理している不動産会社や大家さんはどこなのかを図面などを見てチェックして、保有している会社で同じ物件の情報を公開しているかホームページなどで確認してみてください。
家賃の値下げ交渉をする
入居するタイミングによっては家賃の値下げ交渉ができる場合もあります。年末や年度末の3月などは、引越しのピークの時期です。空き物件はどんどん決まっていく時期なので、大家さんも賃料を少し高めに設定することもあります。
しかし引越しのピークを過ぎて決まらなかった物件は、そのまま2か月、3か月と空いたままになってしまっている場合があります。
このような長く借り手が見つかっていない物件などは、交渉すれば家賃を下げてもらえる可能性があります。大家さんはいつまでも空き家にしているよりも早く借り手がついて欲しいと思っているケースがほとんどです。物件を探しているときにいつも情報が公開されている物件があるなら、内見するときなどに家賃の交渉が可能か聞いてみましょう。
フリーレントや家具付き物件を探す
家賃が入居した最初の月は無料のフリーレント物件や、家具付きの物件などを探すと、初期費用が安くなります。フリーレントで敷金や礼金がない物件ならば、入居までに必要な費用は火災保険や管理費だけという場合もあります。
また、家具付きの物件ならばベッドや冷蔵庫、洗濯機などの必要最低限の家具や家電がセットされているので、身の回りのものだけを持って入居してすぐに生活が始められます。引越し業者の料金や新たに購入する家具・家電なども必要ないため安く初期費用を抑えられます。
ただし、フリーレント物件は2年以内に退去した場合は、家賃1か月分相当を退去時に支払う、などの条件がついているものもあるため、長く住むかわからない人や転勤の可能性がある人などは注意が必要です。
住み替える場合は退去費用に注意
賃貸物件からまた別の賃貸物件に住み替える場合、退去するときに費用がかかることがあります。新居にかかる費用とは別に退去時に請求されることがあるので、その分の費用も残しておかなければいけません。
意外と忘れがちなので気をつけるようにしましょう。退去時によくある費用は以下のようなものです。
ハウスクリーニング代
住んでいた部屋をクリーニングする費用です。一般的には入居したときに預けた敷金から差し引かれ、残りを返金してもらいます。ハウスクリーニング代が必要な物件かどうかは、賃貸契約書に明記されています。ハウスクリーニングについて特に書かれていない場合は、支払いの義務はありません。退去が決まったときに、賃貸契約書を確認しましょう。
修繕費用
入居時にはなかった、借主の故意による部屋の破損などがあると修繕費の請求があります。これも敷金から差し引かれます。退去するときには、管理会社や大家さんなどが立ち会いのもと、荷物を運び出した部屋の中をチェックします。破損した箇所があればそのときに確認して、後日修繕にかかった費用を支払います。
家電や家具の処分費用
新居には持っていかない家具や家電などは、処分する場合粗大ゴミやリサイクル家電の料金がかかります。地域の自治体によって処分方法や料金の支払い方法が違うので、必ず確認して指定の方法で処分してください。
解約日までの家賃
部屋を退去して新居に引越しが住んでいても、契約している間は家賃が発生します。新居への入居日よりも退去日の方があとになっている場合は、その日数分2つの家賃を支払わなければいけません。
まとめ
引越しの初期費用は思っているよりも多くのお金が必要になることを覚えておきましょう。特に敷金や礼金が何か月分かによって大きく変わります。礼金は返ってきませんが、敷金は退去時に一部が返ってきます。 同じ4か月分でも敷金・礼金2か月と敷金3か月・礼金1か月では、退去するときに手元に戻る金額にも差があるので、それらも踏まえてどんな物件を借りるか検討してください。 初期費用を抑えるコツは、敷金礼金の少ないところやフリーレント、家具付き物件を探す、家賃の値下げ交渉をするなどいろいろあります。工夫して少しでも初期費用を抑えて賢く引越ししましょう。