引越しの挨拶はするべき?注意点やタイミング、手土産のマナーを解説
引越しをすると、新たな土地で新たな人間関係を築いていくことになります。特に同じ賃貸物件の隣に住んでいる人とは、顔を合わせる機会が多いでしょう。
引越しの挨拶は義務ではありませんが、近隣住民の人たちと良好な関係を築くためにも、引越しの挨拶することをおすすめします。
今回は引越しの挨拶をする時間帯や手土産など、引越しをした際の挨拶のマナーについて詳しく解説していきます。
目次
引越しの挨拶って必要?
引越しをする際に迷うのが、引越し先の近隣住民への挨拶です。昔は引越しの際に近隣住民の人に挨拶するのが普通でしたが、最近では引越しの挨拶をしない人が増えています。
引越しの際に挨拶するかどうかはそれぞれの自由ではありますが、引越しの挨拶をしてこないことに不満を感じる人はもちろんいます。
女性の単身者で「防犯面を考えて挨拶はしたくない」など特別な理由がなければ、引越しの際にはマナーとして挨拶回りすることをおすすめします。
一度挨拶したからといって、引越しの後に必ず交流を持つ必要はありません。引越しの後は顔を合わせた際に挨拶や会釈する程度の交流で構いません。簡単な手土産を持って挨拶するだけで相手に良い印象を与えられますし、挨拶をして顔見知りになっておくことでご近所トラブルを未然に防ぐこともできます。また挨拶すると、自分も近隣にどのような人が住んでいるかを確認できるのもメリットだといえます。
引越しの挨拶をする人の割合
「引越しに関するアンケート」によると、実際に引越しの挨拶を行う人は全体の約72%で、そのうち新居のみ挨拶をする人が約40%、旧居のみ挨拶する人が約16%、新居・旧居両方挨拶を行う人が約16%でした。調査対象の半数以上が、新居では挨拶を行っていることがわかります。
さらに、家族形態別に見てみると、家族など複数人で暮らす人が引越しの挨拶をする割合は約76%、一人暮らしの人が引越しの挨拶をする割合は約65%と、一人暮らしのほうが引越しの挨拶を行う割合が低い結果でした。また、いずれも、引越しの挨拶をする人の中では、新居のみ挨拶をする人がもっとも多くなっています。
1人暮らしの引越しの挨拶はしなくてもマナー違反にならない?
昔は引越しをする際の挨拶をするのが普通であり、挨拶は引越しのマナーとして考えられていました。
最近でも家族で引越しをするケースでは、近隣住民の人への挨拶回りをする人たちは多いです。しかし単身者の場合は以下のような理由から、引越し先の新居にて近隣住民の人たちへの挨拶をしないケースが増えています。
- 挨拶することによる防犯面が不安である
- 長期間住む予定ではないので挨拶の必要性を感じない
- 引越しの挨拶をする習慣がない
- 近隣住民の人と挨拶のタイミングが合わない
特に女性で単身者の場合、防犯上の理由で引越しの挨拶をしない人が多く、引越しの挨拶は義務ではないので、引越しの挨拶をしないことが必ずしもマナー違反とは言えません。
しかし近隣住民の人と交流を持っていると、病気やケガなど万が一のトラブルがあった際に助けを求められるなどのメリットもあります。
単身者の引越しで防犯面が不安で挨拶できないのであれば、家族・友人・恋人にお願いして、一緒に挨拶回りをしてもよいでしょう。ただし一緒に挨拶回りしてくれる人がいない場合は、無理して挨拶回りをする必要はありません。
例えばアパートやマンションに引越す場合、せめて自分の部屋の上下左右の住人には挨拶することをおすすめします。
引越しの挨拶回りに適したタイミング・時間帯
引越しの挨拶回りをしようと考えたときに、気になるのが挨拶回りをするタイミングや時間帯ではないでしょうか。
引越しの挨拶回りに適しているのは引越しをする日の前日です。
なぜ引越しをする日の前日かというと、引っ越し当日は荷物や引越し業者のトラックで通路が塞がれてしまいます。また引越し作業の音も気になるなど、何かとバタバタしてしまいゆっくり挨拶回りができないからです。
挨拶回りが気になって引越し作業が遅れても困りますし、引越し作業で挨拶回りがおざなりになってもいけません。そのため引越し作業が始まらない引越しをする日の前日であれば、ゆっくり挨拶回りができます。
もし引越しをする日の前日に挨拶回りができそうになければ、引越しする当日に引越し業者が搬入を行う前に、挨拶回りを済ませてもいいでしょう。
挨拶回りする時間帯については、正午から夕方頃をおすすめします。
午前中は家事や育児、出勤前などなにかと忙しい時間帯です。また夜の時間帯はゆっくりしたい人が多いですし、家族で団らんしている時間帯かもしれません。そのため早朝や夜を避け、正午から夕方ごろまでの日中に挨拶を済ませておきましょう。
引越しの挨拶回りをする範囲はどこまで?
引越しの挨拶回りをするタイミング・時間帯の次に気になるのが、どの範囲まで引越しの挨拶回りをするかです。
どの範囲まで挨拶回りをするべきかは、マンションやアパートに住むか一軒家に住むかによって異なります。
ここではどの範囲まで挨拶回りをするべきなのか見ていきましょう。
マンション・アパートの場合
マンションもしくはアパートに引越しをする場合、自分の部屋の上下左右にある部屋に挨拶回りをしましょう。
自分の部屋の左右の部屋に住む人たちとは、顔を合わす機会が多くなります。相手を安心させるため、また自分も安心して生活していけるように、左右の部屋に住む住民には挨拶回りをしてください。
自分の部屋の上の部屋に住む住民に挨拶する理由は、ただの挨拶だけではありません。真下の部屋に引越しをしてきたので特に足音などの配慮をお願いする意味でも挨拶はした方がよいでしょう。
自分の部屋の下の部屋に住む住民に対しては、できる限り足音などの生活音には気を付けますという意味を込めた挨拶が必要です。マンションやアパートには単身者の人も多く住んでいます。それぞれの住民に生活のサイクルがあるので、上手にタイミングを見計らって挨拶に行きましょう。
自分が男性で女性の住民に挨拶に行く場合は、不安にさせないためにも明るい時間帯に、身だしなみを整えて挨拶することが大切です。
何度チャイムを押しても反応がない場合は挨拶されたくない可能性もあるので、手土産と挨拶文を書いた手紙を入れてドアノブに掛けておくといいでしょう。
一軒家の場合
一軒家に引越しをした場合は自分の家の両サイド・前側・後ろ側にある家に挨拶に行きましょう。
一軒家に引越しをすると、必ずと言っていいほど近所付き合いがあります。今後長く住むことを考えて、きちんと引越しの挨拶を行い、近隣住民の人と良い関係を築くことをおすすめします。一軒家でも新築を建てて住む予定の人は、工事の作業音で近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
そのため、まず工事が着工する前に挨拶回りをして作業音に関して謝りを入れておき、工事が完了した後に改めて挨拶回りをするといいですよ。
大家さん・自治会長さんへの挨拶はすべき?
マンションやアパートなどの賃貸物件に引越す際に悩むのが、大家さんへの挨拶です。
一般的には大家さんに挨拶する必要はありません。しかし自分が借りている物件に大家さんが住んでいるケースも。
大家さんが同じ物件に住んでいる場合は、手土産を持って挨拶に行くと喜ばれるでしょう。
賃貸物件では何かトラブルがあると不動産屋と大家さんと話し合うケースが多々あります。
挨拶をして大家さんに良い印象を与えられれば、何かトラブルがあった際に優遇してくれる可能性もあります。
一軒家に引越しをすると自治会に加入することがあります。
自治会長への引越しの挨拶は義務ではないので、挨拶するかしないかはそれぞれの自由です。
しかし自治会への加入を強く進められる地域や自治会活動が活発な地域の場合は、自治会長に挨拶することをおすすめします。
引越しの挨拶回りの会話のポイント
引越しの挨拶回りに行く際に、ある程度話す内容を決めておくと挨拶がスムーズに進みます。ここでは新居・旧居それぞれの挨拶におすすめの例文を紹介するので参考にしてください。
新居のご近所さんへの挨拶
引越しの後、新居のご近所さんへ挨拶する場合、以下の挨拶文を参考にしてください。
「はじめまして、(引越しをしてきた日付)に(住所や部屋番号)に引越して来ました(自分の名前)と申します。引越しの作業ではご迷惑をお掛けしました。これからお世話になります、今後ともよろしくお願いいたします。」
もし家族の転勤などが理由で引越しをしてきた場合には、自己紹介を兼ねて「夫の転勤で(前住んでいた地域)から引越してきました」などを付け加えるとよいでしょう。
さらに手土産を渡す場合は、以下の言葉を付け加えます。
「こちらささやかではありますが、よろしければお使いください。」
自分に小さな子どもがいる場合は、「小さな子どもがいますので何かとご迷惑をお掛けすることがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします」と伝えるのもいいですね。
旧居のご近所さんへの挨拶
これまで住んでいた旧居のご近所さんへ挨拶する場合は、以下の挨拶文を参考にしてください。
「(住所や部屋番号)」に住んでいます(自分の名前)と申します。(引越し日)に引越しをしますので挨拶にまいりました。これまで大変お世話になりました、ありがとうございました。引越しの当日は何かとご迷惑をお掛けするかもしれませんが、よろしくお願い致します。」
引越しの挨拶のタイミングは当日がベスト?
引越しの挨拶のタイミングは、引越し当日できるだけ早く行うのがベストです。引越しでは気をつけていても騒がしくなってしまったり、エレベーターを独占してしまったりすることがあります。引越し作業に入る前に、挨拶とともにご迷惑をおかけするかもしれない旨のお詫びをしておくと、ご近所への印象がよく、トラブル回避にもつながります。可能であれば引越し業者が帰った後すぐに、家族がいる場合には一緒に挨拶に伺いましょう。
しかし、引越し当日はバタバタと忙しく、挨拶に伺う時間がとれないこともあるものです。新居に到着する時間帯によっては、当日の挨拶が逆に相手の迷惑になってしまうこともあります。
引越し当日に時間がとれない場合や、新居に到着する時間が遅くなりそうなときには、引越し前に挨拶をしておくのがおすすめです。やむを得ず引越し後の挨拶になる場合は、できるだけ早く伺うようにしましょう。
引越しの挨拶先が不在だったときは?
引越しの挨拶回りをする際に、必ずしも挨拶先に人がいるとは限りません。挨拶先が不在のケースももちろん考えられます。
また防犯面などの理由で居留守を使う人もいるでしょう。
挨拶先が不在だった場合は、曜日や時間を変えて2~3回挨拶に伺ってみましょう。数回挨拶に行っても不在だった場合は、手紙をポストに入れます。
不在時にポストに入れる手紙の内容は以下の例文を参考にしてください。
「はじめまして、(引越してきた日付)に(住所や部屋番号)に引越してきました(自分の名前)と申します。引越しの挨拶で何度か伺いましたがご不在でしたので、手紙にて挨拶させていただきます。引っ越し当日は何かとご迷惑をお掛けしました。今後ともよろしくお願いいたします。」
引越しの手土産がある場合は、手紙と一緒に部屋の前に置くかドアノブに掛けておきましょう。
手土産が食べ物の場合、暑い日には傷んでしまう可能性もあります。挨拶先が不在だった場合は、食べ物以外の手土産に変更することをおすすめします。
引越しの挨拶回りの手土産
引越しの挨拶回りをする際には、手土産を準備して持っていきましょう。ここでは挨拶回りで相手に喜ばれる手土産や予算、どこで手土産を買うべきかなど手土産について詳しく解説していきます。
喜ばれる手土産は?
引越しの挨拶回りをする際には手土産を持っていくのが一般的です。
手土産は高価すぎるものだと相手に気を使わせてしまうため、500円から1,000円ほどのギフトを選びましょう。
おすすめの手土産には以下のようなものがあります。
- お菓子などの食べ物
- タオル
- 洗剤
- お茶などの飲み物
- ティッシュ
- ラップ
引越しの挨拶の手土産としてお菓子などの食べ物は人気ですが、好き嫌いやアレルギーが気になる場合は選ばないようにしてください。
洗剤やタオル、ラップなど普段の生活で使える手土産は人気があります。
手土産はどこで買う?
引越しの挨拶で渡す手土産は、基本的にどこで購入しても構いません。
百貨店や大型スーパーでは食べ物ギフトなど、上等なギフト商品を多く取扱っています。しかし粗品程度のギフトは商品数が少ない可能性があります。
ドラッグストアはお手頃価格の商品が多いですが、ラッピングはしてくれません。そのため自分でラッピングする必要があります。
おすすめは通販サイトで手土産を購入する方法です。通販サイトではプチギフトを取扱うお店もたくさんありますし、ラッピングやのし紙を付けてくれるお店も多く非常に便利です。
わざわざお店に行って買う必要がないので、忙しい引越しの準備時期でも空いた時間に商品を選んで購入できます。
ただし通販サイトで手土産を購入する場合、発送されるまでに時間がかかることがあるので、引越しの挨拶までに間に合うよう上手に手配してくださいね。
渡すのがNGな贈り物はある?
引越しの手土産は、値段が高すぎるものは避けましょう。受け取る側がとまどいますし、お返しをしなければならないのではと気を遣わせてしまいます。逆に、あまりにチープなものを渡すのも失礼にあたるため、注意しましょう。
また、インテリアや身に着けるものなどの形として残るものは、趣味に合わなかったときに相手が処分に困ってしまいます。とくに以下のように贈り物としてNGとされているものは、気にする方も多いので避けるようにしましょう。
- 櫛(クシ):「苦」「死」を連想させるため
- ハンカチ:「手巾」から、手切れを連想させるため
- スリッパや靴下などの履物:「足で踏みつける」を連想させるため
熨斗(のし)の正しい書き方
引越しの挨拶で相手に渡す手土産に、熨斗(のし)紙をかけることでより好印象を与えられます。
のし紙には「内のし」と「外のし」の2つがあります。内のしとはお中元やお歳暮を配送で贈る際に使います。
一方外のしとは手渡しで渡すギフトに使うのしで、引越しの挨拶で渡す手土産には外のしを選びます。
のし紙の表書きは、旧居と新居で書き方が異なります。
旧居の挨拶で渡す手土産の場合、水引きの上に「御礼」や「粗品」を書き、水引きの下には自分の苗字を書きましょう。引越しの後、新居の挨拶回りで渡す手土産の場合、表書き上には「御挨拶」と書き、水引きの下には自分の苗字を書いてください。
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まとめ
引越しの挨拶回りは義務ではないので、するかしないかはそれぞれの自由です。女性の場合は防犯面を考えて、引越しの挨拶回りをしないという判断でも間違っていないでしょう。
しかし特に理由がない限りは、挨拶回りすることをおすすめします。生活しているとどうしても近所の人と顔を合わせることがありますし、自分も相手も顔見知りになっておくと何かと安心できます。
今回紹介した挨拶文や手土産の選び方を参考に、相手に好印象を与える挨拶をしてくださいね。